アラジンバローズ

兵庫の短距離界にまたスター候補が誕生した。路線を変えてからの充実ぶりは見事というほかない。現に天候不良で２度の輸送をしいられた佐賀のＪｐｎⅢサマーチャンピオンで優勝。そして、ＪｐｎⅠのＪＢＣスプリントでは地方馬最先着となる３着。地方の枠にとらわれない全国区の活躍を見せている。同厩舎のイグナイターとともにこれからの交流グレードでの活躍が期待されるまでになった。悲願の地元グレード制覇の期待が集まる。

エコロクラージュ

素質馬が眠りから覚めた。３歳時に全国交流の楠賞を制し、将来を嘱望されていた。だが、４歳シーズンは自己条件で敗戦など思うように出世コースを歩めず。足踏みする時期が続いた。しかし、５歳秋シーズンにようやく再び花が開く。１０月の兵庫ゴールドカップで何とも鮮やかな差し切り。短距離路線へ切り替えたことが功を奏した。改めて能力の高さをアピールすることに成功。相手強化でも軌道に乗った今なら打倒・ＪＲＡ勢も可能だ。

ハナブサ

まだまだ闘争心に陰りはない。ＪＲＡ未勝利から転入するとトントン拍子に出世した。あっという間にオープンまで昇り詰めた。タイトルは２２年の金沢スプリントのみと、大舞台ではもどかしいレースが続く。だが、年を重ねたが、今秋の走りを見る限り、例年以上に好ムード。グレードの舞台ではこれまで２度挑戦して、６着が２回。円熟味が増して、これまでとは違った姿を見せられるはず。軽ハンデを生かして、大仕事をやってのける。

サイレンスタイム

短距離界のニューヒーローとして注目を集める。ＪＲＡ在籍時は２勝クラスの壁を打ち破れず。だが、兵庫へ移籍したことがいいきっかけになったようだ。これまでくすぶっていたのが嘘のように、転入初戦は力の違いを見せつけての勝利。着差以上の完勝劇を披露した。２戦目ではさらにパフォーマンスを上げて連勝を遂げた。キャリアの面からもまだまだ伸びしろはたっぷり。覚醒した素質馬が一気の飛躍を遂げるシーンもありうる。

ヒメツルイチモンジ

切れ味発揮で襲い掛かる。３歳時はタイトルこそ手が届かなかったが重賞戦線で活躍。明け４歳になり黒潮スプリンターズカップでは３着と、力の一端を示した。その後は自己条件で鍛錬。Ａ１に昇級後は舞台を問わず全て掲示板を確保。勝ち鞍こそないが、安定した走りを見せている。どうしても展開に左右される面はあるが、いつ勝利を手にしてもおかしくない。この舞台ならハンデも魅力。名刀の名を持ち、キレッキレの末脚で挑戦だ。

キクノルメイユール

将来性豊かな非凡な素質を秘めている。半兄キクノソル（ＪＲＡ・ＯＰ）とはタイプこそ違えど、スピードセンスは相当なもの。デビューから順当に白星を重ねて、１１月の楠賞では全国から屈指の実力馬がそろう一線級を相手に地元馬最先着となる４着と、地力の高さを証明した。キャリアを積むごとに成長し、先々は大きな舞台も狙える器。現時点では経験の差こそあれ、一歩ずつ進化を続ける。さらに難敵が相手となるが、素質に期待だ。